世界一小さなパッキンへ

創業以来、腕時計用の防水パッキンを製造しており、小さなゴム部品を作れることが当社の特長

この特長を世界に広めるためにはどうしたら良いか?

マイクロOリング(誕生まで)

  • ①米国の展示会への出展

    ①米国の展示会への出展

    1. 世界最小Oリングを掲げて

    ギネスブック用に製作した最小Oリングを、米国で開催される展示会に出展することにした。ブースでは「世界最小Oリング」の旗印を掲げ、来場者にその精密さと技術力をアピールした。

    出展したOリングのサイズ:

    • 直径:0.25mm
    • 線径:0.10mm

    このサイズは世界最小と明示し、自信を持って展示を行った。

    2. ライバル会社の出現

    展示会の途中、来場者から「他にも最小Oリングを展示している企業がある」という情報を聞きつけた。そこで、競合他社のブースを偵察しに向かった。

    ライバル会社のOリングサイズ:

    • 直径:0.20mm
    • 線径:0.15mm

    比較すると、

    • 内径:ライバル社の方が小さい
    • 線径:KEFの方が小さい

    これは意外な結果だった。果たしてどちらが「世界最小」と言えるのか?このデータを持ち帰り、帰国後に社内で報告を行うこととなった。

    (この後の対応は…)

  • ②米国の展示会への出展

    ②米国の展示会への出展

    1. ライバルに負けない最小Oリングへのチャレンジ

    米国展示会の様子を社内に報告すると、社長から強い号令がかかった。

    社長の指示: 「ライバルがあきらめる位の小さなOリングを作ろう!」

    これを受け、開発部門が新たな挑戦に乗り出した。

    2. 異次元の極小Oリングの開発

    技術部門の努力により、前代未聞の極小Oリングが完成した。

    新たなOリングのサイズ:

    • 直径:0.05mm
    • 線径:0.05mm

    これはまさに異次元の極小サイズ。これを翌年の米国展示会に持ち込み、新たな挑戦をスタートさせることとなった。

  • ③米国の展示会への出展

    ③米国の展示会への出展

    1. ついに「世界最小Oリング」の称号を獲得

    翌年の米国展示会へ、完成した極小Oリングを持ち込んだ。

    展示会の様子:

    • ライバルメーカーは前年と同じサイズのOリングを展示。
    • そして、ライバルメーカーの担当者が当社のブースを訪問。
    • 彼らが顕微鏡をのぞいた瞬間……

    「Oh my God!」と叫び、大声で笑いだした。

    この瞬間、当社の極小Oリングが「世界最小Oリング」として認められたのだった。

    勝負は決まった。

  • JIS規格へ(経済産業省のプログラムにより)

    JIS規格へ(経済産業省のプログラムにより)

    1. JIS規格候補に選定

    米国展示会での成功を受け、当社のマイクロOリングは経済産業省の「新市場創造型標準化制度」により、JIS規格の候補として取り上げられることとなった。

    規格名:

    • マイクロOリング「JIS B 2420-1:2018」

    2. 異例のJIS規格制定

    通常、JIS規格を制定する際には、少なくとも2社以上のメーカーが参加することが求められる。しかし、マイクロOリングに関しては、同様の製品を製造できるメーカーが見つからず、異例ではあるが当社1社のみの参加で規格が制定されることとなった。

    これは、当社の技術力が認められた証であり、業界における確固たる地位を築いた瞬間でもあった。